トルコぎきょう(2)

 薄い花びらをそよかぜになびかせ、カップ状に咲くトルコぎきょう。我が家のビニールハウスの中で、多彩な花型と花色で咲き誇っている。
 別名、「リシアンサス」とも呼ばれるこの花は、日本で一般に呼ばれる「トルコ桔梗」の「トルコ」ではなく、「北アメリカ」が原産。これまた、呼び名とは、うらはらに、桔梗ではなく「りんどう科」と言うのが、面白い。では、なぜ「トルコ桔梗」と呼ばれる様になったのか、それは、「トルコ石」や「地中海」の色を思わせるエキゾチックな花色と、桔梗に似た花型からこのように名付けられたと言われています。
 昭和の初期に渡来してからは、改良が重ねられ、別の色がリング状に入る、「復輪咲き」や、薔薇を思わせる「八重咲き」等様々な新品種が毎年発表になっており、色も、紫、ピンク、白、黄色、オレンジと、とても豊富。品種改良と共に用途も広がり、結婚式からお葬式まで使われるようになりました。今や、需要も、人気も薔薇や菊に迫る急成長の花とも言えるでしょう。
 こんなトルコぎきょうも、消費の伸びと共に全国で栽培されるようになり、我が家でも4年ほど前から手がけるようになりました。花は、米の様に国の政策に左右されず自由に栽培でき、農業のイメージを明るく変えてくれそうな気もしたからです。
 そしてなにより、仕事場も、毎日の暮らしも花に囲まれた生活はちょっぴり贅沢な気分。 「米は肉体の糧、花は心の糧」は主人の口癖。心がすこしブルーなあなた、ピンクのトルコぎきょうを一本いかが?


苫小牧民報 1995年(平成7年)9月23日(土曜日)掲載


[email protected]