サバイバル・キャンプ

 間もなくキャンプがある。土日にかけて、小6の息子のクラスの親子キャンプだ。天候が、気掛かりだが、自然に親しむのが目的とは言えやっぱり、晴れたらいいな。
 担任の先生からのプリントには、「※よりサバイバルなキャンプを」とあった。

 ・大昔に用いられた「舞ギリ式」による火起こし。

  ・山から取ってきた木を利用しての「箸づくり」

  ・空カンを利用した「かんてらづくり」

に挑戦するという。
 今、世間では、都会といわず、田舎といわず、「アウトドアー」がブームのようにテレビや新聞でも話題になっている。 流行に乗せられ安いと言う意味では我が家も例に漏れないが、以前子供達がまだ小さかった頃毎年のように家族でキャンプを楽しんでいた事を思い出す。
 ガイドブックや地図で目的地を決める。車には、引っ越し荷物と見まごうばかりのキャンプ道具、に自家生産の食料品を満載し、足りない物は途中のコンビニで調達。ほーれん草の収穫に追われながらも北海道の短い夏が行ってしまわないうちにと、追いかけるようにあわただしく出かけたものだった。
 それでも一つか二つ必ず忘れ物をしたものだった。お陰で普段何気なく使っている物のありがたさを思い知らされる訳だが、それもまた良いものだ。 便利な物に囲まれているのがあたりまえの今の時代、ほんの少しの不便さがスパイスの様にぴりりと味を引き締めてくれるから。
 さて、そのスパイスをメインディッシュに仕立てた大胆な企画の学年キャンプ。きっと楽しい思い出になってくれる事だろう。小学校生活最後のキャンプなのだから。


苫小牧民報 1995年(平成7年)7月15日(土曜日)掲載


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